君へ

曇り空


「涼太!」

梅雨の季節には
君は俺を『涼太』って呼ぶようになってたね

「ん〜…?咲??」


忘れもしない6月4日。

「あたし、彼氏出来た!」

「まぢ〜?よかったな」



ぇ…?
ちょっと待って?

咲に彼氏?


考えてもいなかった

俺は今まで人のことを真剣に好きになったことはなかったから

自分の咲にたいするこの気持ちが、
果たして『恋』とゆーものなのか
まだわかっていなかったんだ


そのあとの会話はあまり覚えていない

見上げた空は少し雲っていた

俺が空を見つめていることに気付いて

「夕方は雨降るかもね」

「あぁ。」

「傘持ってきた?」

「忘れた」

「涼太はホントにドジだね!」

って、笑ってくれた

初めて君の本当の笑顔を見たよ
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