ズボラ女が恋する瞬間
「始めに言っとくけど、俺は別れない」


宣言のように言われ、返す言葉も見つからない。


「あかりも別れるつもりがないから、今もあの部屋に居るんだろ?」

「それは・・・」

「あかり、やり直そう」


やり直す?

どこから?

どこで間違えたかもわからないのに、どうやってやり直すの?


「・・・無理だよ」

「無理ってなんだよ!」


両肩を掴まれ、グラグラと身体を揺らされる。


「あなたの傍に居たのも、寄り添ってくれたのも、あたしじゃない」

「なんだよ、それ。約束しただろ?『待ってる』って」

「・・・ごめんなさい」


__ガチャンッ__


彼に突き飛ばされ、ぶつけた腕に鈍い痛みが走る。

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