ズボラ女が恋する瞬間
それから無事に大学も卒業して、それを機にこの部屋も出ようと思っていた。

あたしと彼を繋ぐものは、この部屋だけ。

あたしがここを出たら、全てが終わる。

家賃は一緒に暮らしていた時と同様に、連絡が途絶えた後も彼は払い続けてくれた。

でもきっと、それは彼にとって負担でしかないだろう。

だから、ちゃんと終わりにしよう。

そう思ったけど、どうしても連絡することが出来なかった。

どうせ、更新だってある。

次の更新の時に、部屋を出て行こう。

更新料だって、バカにならないし。

そう思っていたのに、彼は何も言わずに更新料を払った。

そして、2度目の時も同様に。

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