ズボラ女が恋する瞬間
社会人の彼と、大学生のあたし。

傍に居た時でも、どちらかが時間を作らなきゃ一緒になんて居られなかった。

昼は学校、夜と休日はバイトなあたし。

彼だって、仕事に追われる毎日。

日に日に減っていった連絡が、いつしか途絶えた。

連絡もなければ、あたしもしない。

でも1度だけ、彼の連絡を待った日があった。

離れて、初めての記念日の日。

その日ですら、あたしは自分から連絡をしなかった。

そして彼も、連絡をくれなかった。

時間だけが勝手に過ぎていき、就職先も彼に相談せずに決めた。


『もし戻って来れなかったら、あかりがこっちにこいよ』


なんて、言っていたのに。

何一つ、約束は守れなかった。

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