ズボラ女が恋する瞬間
「言わせたい。お前の口からは」


なんだ、その矛盾。


「なぁ。言えよ」

「なんで、上から何ですか?」

「俺、年上だから」


そうかもしれないが、そう言うことじゃないんだけど。

人の唇を撫でる手に、変に意識してしまう。


「その余裕、奪いたくなる」


そう言うと、噛み付くようにキスをする。

それは次第に深くなり、呼吸が乱れる。

キスの合間に漏れる吐息に、恥じらいが生まれたが、そんなこともいつしかどうでもよくなる。


「流されたなんて言い訳、通じねぇけど?」


そんな小賢しい言い訳、しない。


「途中で止まられねぇよ」


真面目なんだが、遊び人なんだか、わからない人。

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