ズボラ女が恋する瞬間
いちいち突っかかるの、もう辞めよう。

キリがない。

三浦の言葉をスルーし、新しいビールに手を伸ばす。

その手を、三浦に掴まれる。


「何ですか?」

「俺と酒、どっち好き」

「ビール」


即答するあたしの手から、三浦はビールを奪う。


「俺だろ?お前が認めたら、返してやる」


なんて、奪ったビールを見せびらかしてくる。


「好きとか、一々言葉にして、言い合いたい人なんですね。三浦さんって」

「好きなんて、嘘でも簡単に言える。そんな安っぽい言葉に期待なんかしてない」


そう言うわりに、言わせたいように見えるんだけど。


「でも」


三浦が、あたしの頬に手を添える。

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