ズボラ女が恋する瞬間
加藤は加藤で良い奴だし、新井は新井で悪い奴ではない。

でも先程の加藤の言葉を思い出し、敢えて言ってあげた。


「加藤の方が何倍も良い男だよ」

「サンキュー。気使ってくれて」


使ってないと言ったら、嘘になる。

だが、どちらも同じくらい美緒を幸せにできる人だと思う。


「行ってやれば?わざわざ迎えに来たんじゃねぇ?」

「約束してはしてない」

「だとしても、動く様子もねぇし。行ってやれよ。そろそろ、俺も中に戻るから。慰めてくれたお礼として、お前の分は払っといてやる」


そう言うと、加藤はあたしの背中を押す。

そして加藤は大翔たちに軽く頭を下げて、店の中へと入って行った。

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