ズボラ女が恋する瞬間
__カツカツカツッ__

自分の足音とは別に聞こえる足音に、あたしは完全に取り乱していた。

恐怖心は募るばかりで、ホントに涙が出そうだ。


「おいッ!!」


再び聞こえた声と共に、腕を引かれた。

何何何?!!って、、、

勇気を振り絞り振り返ると、そこに居たの三浦だった。


「み、三浦さん。驚かせないでください!!」


ホント、最悪な男だ!!


「俺は何もしてねぇだろ」

「声掛けてきたじゃないですか!」

「それだけだろ。挨拶なんて、社会人の常識だろ」


それは、そうだけど、、、

あまりに正論で、返す言葉もない。


「で、何か用ですか」


あたしは話を変えるため、質問した。

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