ズボラ女が恋する瞬間
「正直、ホッとしたでしょ?転勤になって」


違うと、すぐに否定できない。

淋しさや不安は、確かにあった。

でも美緒の言う通り、心のどこかでホッとしていた。

いつの間にか、彼の前では素の自分で居られなくなった。

彼の前では、彼の好きな自分で居なくては・・・

彼が好きだからしていた行動が、いつの間にかあたしに重荷になっていた。

同棲していたから、家の中でも素の自分では居られない。

いつ、あたしは心を休めればいいのだろう?

いつしか、そんなことを思うようになっていた。

決して、誰にも言わなかったけど・・・

あたしは、自嘲的に鼻で笑う。


「美緒には、敵わないなぁ」

「あかりは、自分のこと追い込み過ぎなんだよ」

< 63 / 253 >

この作品をシェア

pagetop