ズボラ女が恋する瞬間
「俺は変えてもらう気ねぇけど?」


…は?


「他の奴に変えて、今以上に仕事が増えたら困る。今でも女と遊ぶ時間が少ないのに」


今以上にって、何だよ。

それに最後のは、あたしへの当て付けですか?

もう、いちいち突っ込むのにも疲れてきた。

あたしはわざとらしく、大きなため息を溢した。


「お疲れ様でした」


これ以上話しても無意味だと思い、一方的に挨拶をし、その場を後にする。


「おい」

「何ですか」


人がせっかく帰ろとしてるのに、引き止めないでよ。


「乗せてく」


車の鍵を見せると、三浦はあたしの前を歩き出す。


「頼んでないんですけど」

「こんな時間に、1人で帰す訳にいかないから。泉も一応、女だし」


おい!一応って何よ!

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