小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

葛藤

花火大会、
流行りの映画。


いろんなデートを重ね、俺はナナへの想いを確信していった。

夏のうちには想いを告げよう、そう思っていた。


…ただ。


ナナの気持ちはイマイチ読めない。

“もしかしてナナも俺のこと…?”

そう思うこともあれば

“俺のこと男として眼中ないのか…?”

と思うこともある。

女心ってサッパリわからない。
今まで考えたこともなかった。


でも…嫌われてはいないはず。

ナナも俺のことを想ってくれてるって信じたい。



そして、


ナナに惹かれていく想いを確信しつつもナナコのことも気にしていた。


あの事件以来、実家に戻ったナナコだがメールは毎日来ていた。


その内容が急に明るくなった。


夏の終わりの少し手前だった。


【ハルトくん!いいニュース!】

来たのはこんなメール。

なんだ?

いいニュース…?


【何!?】


メールを返信すると今度は電話が鳴った。



「直接話したいから帰ってこれない?」



明るいナナコの声にホッとしつつ俺は次の休みに帰ると告げ、電話を終わらせた。


それにしても…なんだ?




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