小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「おっ!お姉さんじゃ〜ん!ナナ!」


車のドアを開けるとハルトがそう言って笑った。


「まぁね!キレイっ?」


ふざけて言ったのにハルトに真顔で返された。


「…キレイというより、カワイイだね。」


―――ですよね…。
やっぱり“キレイ”にはまだ程遠いかな。
こんな私でハルトにちゃんとつりあってるのかな…。
少しだけガッカリしつつ“カワイイ”って言われたことはやっぱり嬉しい。

顔が自然と笑顔になった。




今日はハルトが奮発してホテルで食事することになっている。

だからいつもより大人っぽく決めたつもり。

実はハルトもスーツでかなりカッコイイ。

かなりオトナだよ…。



「こちらです。」



ホテルの最上階のレストランへ向かうと窓側の席に案内され向かい合って座った。

夜景も見えてとってもキレイ。



< 298 / 416 >

この作品をシェア

pagetop