小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
ふわり…


ふわり…



ふわり……




…幸せ…。

ねぇ、ハルト…幸せだね…。

ずっとずっと一緒だね。


キラキラ

キラキラ


薬指の指輪。


ふたりの絆。


私たちの気持ち。



…愛の証…。




ずっと…


ずっと…


いっしょ………―――。










気が付くとベッドの中にいた。


…夢…見てたんだ…。


見回すと自分の部屋ではない。

さっきまであんなに幸せにハルトと過ごした、そのホテルの部屋。



―――ハルト!?



「ハルトっ!?」



しんと静まり返る空間。

ベッドを飛び出す。

いない…

いない…

寂しいよ…辛いよ…。




「ハルトぉーーーっ!?」




いない…って、わかってるのに…。
呼ばずにはいられなかった。



涙をためた目がテーブルの上に乗っているものに気付く。

手をのばす。

それは白い、ホテルの便箋だった。




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