管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
蒼真と同年代に見える南科は、髪は短く色白だけれど、背も高く体格もそれなりで、整った顔立ちだった。
南科の傍まで行く絢。
「今日、引っ越しだったんですね?」
すっかり忘れていた。一応鍵束は持っていたが。
「どうしてここに?もしかして、彼氏とかですか??」
男の部屋から出てくれば、そう思われても不思議はない。
「あっ、いえ違います!!いろいろあって。今の会社の上司で、蒼真さんです」
「ふうん…?そうなんだ」
まだ何やら疑いの眼差しで見る。何の用で上司の部屋にいたのかと。
「初めまして。絢ちゃんとは昔、取引先でもよくして貰いましたが、彼氏みたいなもんです。お食事にも何度か」
「かっ、彼氏なんて!!とんでもないです!!」
「…迷惑でした??」
「そ、そういうことでは…」
赤くなる絢。
「……どうも。蒼真といいます。201号室の」
2階の通路から降りることもなく。
周りが静かなので声は届いた。
「よろしくどうぞ。後で改めてご挨拶に伺います」