管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


あいつのせいだ。


彼女が逃げたのも、いなくなったのも。


全部あいつのせいだ。


部屋に帰ると南科は、歯痒く爪を噛んだ。


あいつのせいで、みんな僕の前からいなくなる。


涼しい顔して、憎らしい。腹黒い奴だ。


残ったビールを一気に飲み干すと、横になった。


「あや……」


―――雨が振りだす。


おぎゃあ、とどこからともなく泣き声が聞こえた。


……うるさいな。


夜泣きしたことなかったじゃないか。今日に限って。


男の声が聞こえた。
何か喚いているのか??


……うるさいな。


苛立ちながら、いつの間にか眠っていた南科。



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