管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


「結局かれこれ亡くなって13年くらいか。一応、年一回の命日に来れそうなら来るようにしてる。今回はあそこから近かったしな」


「だから、そんなになりますかって…」


「夏前のことだったからな」


「でも無縁仏っていうのは…??」


「引き取り手がなかったり行き場のない亡骸を、集めて供養するところだ」


「花井さんも……??」


「聞いた話では、一人っ子で両親を早くに事故でなくして、親戚をたらい回しされたんだと」


その辺の落ちている榊の葉っぱを箒で集める。


「で亡骸になっても引き取り手もなく、両親の墓にも入れてもらえず、親戚も関わるの嫌がって、ってところでうちの寺に」


「……そんなこと、本当にあるんですね、テレビでしか見たことないですけど。可哀想」


絢も手を合わせてしんみりする。


「だからなおさら愛情が欲しかった、嬉しかったんだろうにな」


そんな純粋な心を弄んで、というもやもやはあったが、安易に自殺として片付けられた今、代わりに責め咎めることもできない。


「蒼真さんは、好きにならなかったんですか??」


「ちょっとくらいは、いいなとは思ったかな。何しろ美人だし」


お前と違ってな、という目で見る蒼真を、睨み返して、ふと気づく。


「それはそうと、『うちの寺』って!!??なんですか!?どういうことですか!?」


「ついでに、パーキングのお祓いも頼もうと思ってな」


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