管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
そんなある日。
「いらっしゃいませ」
数人の客が、個別に立て続けに訪れた。
真理亜は知るはずもないが、絢が息を飲む。
ハイツの住人に生き写しの面子だ。全員揃った。
世の中には、自分と同じ顔が三人いるというが、まさかと思った絢。
目を擦ってよく見ると別人だったが、雰囲気がそっくりだ。
赤ん坊までいる。
「……い、いらっしゃいませ」
グラスの水を出す手が震えた。
「やっぱり居付いちゃいました」
「えっ!?」
赤ん坊に微笑まれ、ビクッとする。
「大丈夫ですか??絢さん」
真理亜がフォローに来る。
「……ごめん、お願い」
真っ青になり、厨房によろめきながら入る。
「おい!?どうした!?」
「……今来たお客さん…」
言われて店内を見て蒼真も止まる。
「……嘘だろ」
反応は同じだった。
きょとんとする真理亜に、
「…ハイツの連中に、そっくりだ」
「えっ…」
結局蒼真は、親子と多奈川は見えていないが、南科と慶子を見てわかった。
妙な緊張感の中、もちろん空似の客は、普通に食べて帰った。