その背中、抱きしめて 【下】
相川くんと桜井くんが手を振って去っていく。
残された高遠くんと私。
とりわけ私は何が何だかわからずに、ポカンとしていた。
「先輩、久しぶり」
高遠くんが私をからかうように口角を上げる。
「……」
何、このしてやったりな顔は。
何を企んで、この1週間何をしてたの?
「″久しぶり″じゃないよ。何なの一体」
なんか無性に腹立つ。
「珍しく怒ってんね」
「高遠くんにフラれたの2回目。しかも今回は他の女に乗り換えられたっていうダメ押しつき。怒るっていうよりショックで死にそう」
ひどいよ、高遠くん。
笑い事じゃないよ。
「何で高遠くんはちゃんとフってくれないの?」
前回も今回もそう。
急に私から離れていく。
フることもしないで、理由も言わないで。
「別れる気ないのにフるわけないでしょ」
は?
ほんとにイミワカンナイ。
私とも別れず内村さんとも付き合うって、二股公言すんの!?