冷徹社長が溺愛キス!?
でも、午前中は忙しかったし、突然決まった仕事の引き継ぎのことで頭はいっぱいだったし、そのことはすっかり抜け落ちていた。
いい加減、忘れてくれてもいいのだけど……。
「おい、今、いい加減にしてくれって思っただろ」
社長が目を細めて私を鋭く観察する。
「え? あ、いえ……」
図星を突かれて言葉を失くした。
「悪いが、俺は諦めが悪い性質なんだ。勝利が確定するまでやめないぞ」
ひゃあ……大変な人としりとりなんてしてしまった……。
社長は意地悪な笑みを浮かべて言い放つと、休憩室を出て行った。
その途端、あちこちから私に対する、どこかチクチクとした視線が突き刺さる。
社長と気安く話していたことを面白く思わないためかもしれない。
ちょっとしたとばっちりなんだけど……。
「あなたたちはいったい、どういう関係なんですか?」
加藤くんはメガネを人差し指で上げて私を見た。