冷徹社長が溺愛キス!?

受けるつもりのないお見合い。
その相手の写真を見たって、意味のないこと。
そう思ったものの、どんな人なんだろうかというちょっとした興味も手伝って、白い封筒の中に手を入れた。

中から出て来たのは、封筒の半分ほどの写真が一枚きり。
そこに写った人を見て、絶句してしまった。
今どきこういう頭の人がいるのかと思う、パンチパーマだったのだ。
丸顔には、その髪型に不釣り合いなほど優しそうな目。
白い歯をニッと剥き出しにした笑顔を浮かべていた。
歳は三十代後半。

ショックだった。
お母さんが私の結婚相手にと選んだ相手が、こういうタイプだったとは……。

正直、ちょっとした期待を持って写真を見ただけに、その反動は大きなものだった。
人を外見だけで判断するものじゃないことは分かってる。

でも……。
お母さんってば、ひどい。

がっくりと落ち込んでしまった。

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