冷徹社長が溺愛キス!?
◇◇◇
細身の花瓶をふたつ、トレーに並べて最上階へと向かう。
今日はスイートピーをアパートのベランダから持ってきたので、三木専務におすそ分けだ。
専務室をノックすると、秘書ではなく三木専務本人が現れた。
「おはようございます」
「あら、それってスイートピー? 早速持ってきてくれたの? 嬉しいわ」
「喜んでいただけてよかったです」
彼女の顔を見るたび、鈍い痛みが胸に押し寄せてくる。
罪悪感と羨望。
社長の隣にいられる彼女が、本当に羨ましい。
「それは?」
もう一方の花瓶を指差す。
「これは……」
社長にも、と一応持ってきたものの、土壇場になってどうしようかと迷う。
「もしかして速水社長に?」
「そう思って持ってきたんですけど、あまり花は好きそうじゃないみたいなので……」