冷徹社長が溺愛キス!?
「そんなことはないわ。この前も、雨宮さんがくれたガーベラ、大事そうに自分で水を取り替えたりなんかして」
専務はそのときの様子を思い出したようにクスッと笑った。
あの社長が自分で?
思いもしない専務の報告に、なんだか嬉しくなる。
「まだ来てないだろうけど、カギは開いてるはずだから、中に入って置いて来てもらってもいい? 私、今ちょっと手が離せなくて。秘書もまだ出勤してないの」
「でも、私が勝手に入っても大丈夫ですか?」
「だって、何か悪いことをするわけじゃないでしょう?」
“悪いこと”というワードが、この前の夜のことを連想させて、キリキリと胃が痛む。
「どうかした?」
押し黙った私の顔を彼女が覗き込む。
「あっ、いえ。……それじゃ、そうさせていただきます」
一礼して専務室のドアを閉めると、隣の社長室をノックした。
応答はない。
やはりまだ出勤してきていないようだ。