冷徹社長が溺愛キス!?

「で、なに?」

「……あ、その……花をお持ちしたんです……」

「花?」


社長はすぐにデスクの花に気づいて、「また、こんなことのために早く出勤したのか」と、呆れながら花瓶を手に取った。
また朝から怒られては堪らない。


「やっぱりご迷惑ですよね。すみません」


引き上げようと社長に近づき花瓶を取ろうと手を伸ばしたが、社長はそれを自分の鼻先に持って行った。


「ふーん。なかなかいい香りだな」


軽く微笑む。


「そうなんです。私もその香りが好きで。それ、恋式部っていうスイートピーの品種なんです。まだ珍しい種類なんですよ。お忙しいだろうから、ちょっとでも癒しになればと思って」

「花のこととなると、相変わらず饒舌だな」

「あ……すみません」


社長が微笑んでくれたものだから、つい調子に乗ってペラペラと。
慌てて口を結んだ。

< 188 / 272 >

この作品をシェア

pagetop