冷徹社長が溺愛キス!?

「手はどうしたんだ」

「……手、ですか? あ、これはさっき花で」


何かの拍子に、右手の人差し指をほんの少し切ってしまったのだ。
さっきティッシュペーパーで拭ったが、また血が滲んできていた。


「相変わらずドンくさいな」


社長がクククと肩を震わせる。


「……はい」


社長に失敗ばかり目撃されるのは、私の宿命なんだろうか。
トレーを小脇に抱えてハンカチを取り出そうとするものの、スカートの右側のポケットから左手で取ろうとしてもうまくいかない。


「貸せ」


もたもたしている私の右手を社長が突然掴んだものだから、大きく鼓動が弾む。
いつの間に用意したのか、彼は絆創膏を手にしていた。


「すみません……」


社長が手当てしてくれている様子を見ながら、指先から私の胸の高鳴りが伝わってしまわないかとハラハラする。

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