冷徹社長が溺愛キス!?
「決めた」
突然、社長がポツリと呟く。
……決めた?
……何を?
社長の顔を見上げると、彼はじっと私を見下ろした。
感情の読み取れない真顔だった。
「奈知」
もう一度名前を呼ばれて、「はい」と答える。
社長の唇が言葉を発しようと動いたときだった。
ノックする音とともにドアが開かれる。
「おはよー。……あら、雨宮さん」
ギクリとした。
三木専務が入って来たのだ。
私がいたことに驚いて目を丸くしていた。
咄嗟に社長から離れて、専務に向かって一礼する。
「……もしかして、お邪魔だった?」
私たちを見比べて、専務が言葉を続ける。
そこに悪意こそ感じなかったものの、専務は社長の恋人なのだ。
私が社長とふたりきりでいることに、いい気分はしないだろう。
キスを期待したこともあって、後ろめたい気持ちでいっぱいになる。