冷徹社長が溺愛キス!?

「いやぁ、何事もなくてよかったねぇ。……あれ? お邪魔だったかな?」


左右に首を振って、私たちの顔を眺める。
一種の緊迫ムードの中に飛び込んできたことに気づいてしまったようだ。


「いえっ、お邪魔だなんて」


本当のところを言えば、社長が言いかけた言葉が気になる。


「ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」

「いや、ビックリしたよ、本当に。今年もまた始まったかぁと見ていたら、急にあんなことするんだもんねぇ」


頭を下げて謝ると、久万さんは目を大きくしながら頷き、両腕を胸の前で組んだ。


「久万さんは、うちの株主だったんですね」

「ちびっとだけどね」


久万さんが親指と人差し指を使って“少しだけ”という仕草をすると、社長がすかさずツッコミを入れる。


「謙遜しないでくださいよ、久万さん。スーパートレイダ―のくせに」


スーパートレイダー?
……久万さんが?

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