冷徹社長が溺愛キス!?
確かに、初めから社長がお見合い相手だと知っていたら、自然と好きになるというよりは、身構えてしまっていたかもしれない。
「それに、普通のお見合いじゃ、つまんないだろ」
「つまんないって……」
「俺は普通は嫌いだ」
隣に並んで立つと、社長は笑みを浮かべながら池を覗き込んだ。
もしかしたら、社長にぶつかって花瓶の水を掛けてしまったときにはもう、私がお見合いの相手だと知っていたのかもしれない。
私の社員証と顔を見て、彼の表情が変わったことを思い出した。
“これが俺の見合い相手かよ。勘弁してくれ”という具合に、幻滅していたのだろう。
「でも、私とお見合いなんかしていいんですか?」
「というと?」
「……彼女、いるんじゃないですか?」
「いない」
迷いのいっさいない、即答だった。
「どうも怖がられるみたいだ、俺は」
参ったというように頭を掻きながら社長が言う。