冷徹社長が溺愛キス!?

どんどん自分を貶めていっているように感じるのは気のせいか。
しゃべるほどにボロが出る。

社長の私に対する評価は、きっと最悪なところまできているだろう。
地に落ちるどころか、地下深くまで沈み込んでいるに違いない。
このまま会社に置いてもらえるのか、だんだんと不安になってきた。


「もう一杯飲むか?」


私が床に置いた空のカップを社長が持つ。


「いえ、大丈夫です。ごちそうさまでした」


変わらず山小屋に叩きつける激しい雨。
時刻は三時半を回っていた。
スマホを確認してみても、相変わらず電波状況は悪いまま。
いったいいつになったら下山できるんだろう。

そんなことを考えているうちに、だんだんと瞼が重くなってきた。
ココアを飲んで体が温まったせいかもしれない。

何度となく出る欠伸を噛み殺して、睡魔と闘う。

ところが、それも限界を迎える。
急激に襲ってきた眠りの波に、吸い込まれるようにさらわれてしまった。

< 67 / 272 >

この作品をシェア

pagetop