冷徹社長が溺愛キス!?
社長はジャケットを片手で受け取りながら、暖炉に薪をくべた。
その瞬間、細かい炎がボワッと飛び散る。
朝まで……ここ……?
社長とふたりきりで?
「帰れないんですか?」
「そういうことだ」
社長はそう答えながら、窓の外を指差した。
暮れかけた空。
雲が広がっているせいか、まだ午後六時を回ったばかりなのに今にも暗闇に呑まれそうだ。
雨もまだ降っている。
「もしかして、私が眠っちゃったからですか?」
「いや。そういうわけじゃない」
よかった……。
――って、よくないよ。
私のせいじゃないことはいいとして、ここで社長とひと晩明かすことはよくない。
「おい、どこへ行くつもりだ」
乾かしておいたジャケットを着込み、リュックを背負った私に社長が声を掛ける。
「どこって……帰ろうかと……」