冷徹社長が溺愛キス!?
「……すみません」
私ときたら、本当に恥ずかしいし情けない。
社長が私ごときを相手にするはずがないのだ。
なんせ、恋人はあの三木専務だと噂されているのだから。
彼女と私を比べるまでもないけれど、かたや仕事も抜群にできる容姿端麗で、私はノロマで鈍い“ちんちくりん”。
社長が私に襲い掛かることは、絶対にありえないのだ。
そんなことを一瞬でも考えたことが、本当に申し訳ない。
「分かったら、荷物を下ろせ」
「はい……」
呆れたように言う社長に、従う以外に手立てはなかった。
「幹事には、先にバスを出すよう連絡してある」
「通じたんですか!?」
慌ててリュックを下ろして、中からスマホを取り出す。
ところが、相も変わらず電波状態は最悪だった。
「雨が小降りになったのを見計らって、電波の通じるところを探してきた」
「そう、ですか……」