冷徹社長が溺愛キス!?

部屋の隅のほうへ力なく腰を下ろした。
みんなが先にバスで帰ってしまったら、私たちはどうやって帰るんだろう。


「心配するな。麓に知り合いがいる。明日の朝、下山したら車を出してもらうことになってるから」


私の不安を悟った社長は、対抗措置を説明してくれた。

帰る手段があるのなら、ひとまず良かった。
安否の確認も取れていれば、大捜索なんてことにもならないだろうし。
麻里ちゃんも心配せずに済む。


「もっと火のそばへ寄れ」


それに素直に頷づくと暖炉に近づき、社長の右斜めうしろに座る。

もうすぐ初夏とはいっても、さすがは山だ。
暖炉の火を温かく感じるのは、きっと外気温がグンと下がっているから。
火を起こしてくれた社長に感謝しなくては。


「いろいろとありがとうございます」

「唐突になんだ」


薪をくべる手を止め、社長が顔を向ける。


「私ひとりだったら、今頃凍えていたと思います」


私は体育座りをして膝の上に顎を乗せた。

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