冷徹社長が溺愛キス!?
「ありがとうございます」
ニコニコ顔で受け取った。
口をつけると、ホッとする。
ひとくち飲むごとに優しい気分になれるから不思議だ。
「よし、しりとりでもするか」
それは、社長の突然の提案だった。
「しりとりですか?」
「こうして黙って火を眺めていたって暇だからな」
本当にそのとおりだ。
沈黙の空気は少し重苦しいし、それなら他愛のないしりとりで無理やりしゃべっていたほうが気が楽だろう。
「そうですね」
提案に頷いた。
「普通にしりとりをやったって簡単でつまらないから、何かルールでも設けるか。……そうだな、相手の言ったワードの二番目の文字を必ず使ったワードにすることにしよう」
「二番目の文字を使ったワード……」
「たとえば、“りんご”と言ったら、“ん”を必ず入れた言葉ってことで、“ゴング”って具合だ」