冷徹社長が溺愛キス!?

「おい、何してんだよ」

「あっ、すみません……。影絵をちょっと……」


しりとりゲームのことをうっかり忘れていた。


「影絵? で、それは何のつもりだ?」


両手を組んだ状態のまま固まった私を見る。


「……これはその……犬です」


社長はプッと吹き出した。


「あのなぁ、犬はこうだ」


呆れて言いながら自分の手を組み合わせ、器用なことに、模した口をパクパクさせる。
壁に写った影は、まさに犬だった。

すごい。
素直に感動してしまった。


「ほら、やってみろ」

「えっ……」


社長が私に急に近づき手を取る。


「いいか? こうだ」

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