アメトムチ。
「あー、みんな。ちょっと手を休めて、こっちに注目して」と幸村部長が言う前から、すでにみんなは彼を見ていた。
「彼は本社の技術開発局に異動になった、野々瀬。他の社員は、今朝の全体朝礼で挨拶済だったが」
「ミーティングしてたんで。遅れてすいません。えーっと、野々瀬清正です。札幌支店の企画・制作部から、名称改まった本社(ここ)の技術開発局に移ってきました。総務とはあんまり仕事の関わりないと思うけど、部屋近いし。そういうことで、以後仲良くつき合っていきましょう」
彼が挨拶を終えると、一瞬部屋は静まり、その後すぐに、総務の女子たちは、色めき立った。
それはそうだろう。
オンラインゲームのヒット作を生みだした社長の息子でありながら、今までずっとその存在を表に出さず、それもあって存在が伝説と化していたお方が、ついに私たちの目の前に現れたんだから!
私だってビックリした!
そんな・・ある意味すごい人を、私はホテルに誘って・・・。
処女を失くすために!
試みは失敗に終わったけど、もうあの人と会うことはもちろん、関わることだって二度とないと思っていたのに。
少なくとも、彼だってそう思っていたはず。
だって、私たちが同じ会社に勤めているなんて、お互い知らなかったんだから。
「彼は本社の技術開発局に異動になった、野々瀬。他の社員は、今朝の全体朝礼で挨拶済だったが」
「ミーティングしてたんで。遅れてすいません。えーっと、野々瀬清正です。札幌支店の企画・制作部から、名称改まった本社(ここ)の技術開発局に移ってきました。総務とはあんまり仕事の関わりないと思うけど、部屋近いし。そういうことで、以後仲良くつき合っていきましょう」
彼が挨拶を終えると、一瞬部屋は静まり、その後すぐに、総務の女子たちは、色めき立った。
それはそうだろう。
オンラインゲームのヒット作を生みだした社長の息子でありながら、今までずっとその存在を表に出さず、それもあって存在が伝説と化していたお方が、ついに私たちの目の前に現れたんだから!
私だってビックリした!
そんな・・ある意味すごい人を、私はホテルに誘って・・・。
処女を失くすために!
試みは失敗に終わったけど、もうあの人と会うことはもちろん、関わることだって二度とないと思っていたのに。
少なくとも、彼だってそう思っていたはず。
だって、私たちが同じ会社に勤めているなんて、お互い知らなかったんだから。