いつかそんな日がくればいい。【短】

だけど、彼女は意外なことに思ったよりもずっと冷静な面持ちで、彼女達の問いに答えた。


「うん。黒崎君とは途中ではぐれちゃって。そしたら丁度、松田君が一人で居たから一緒に探してもらってたの」


「ね。松田君?」と、彼女は不敵な笑みで俺に投げかける。


その笑顔からは“合わせておきなさいよ”といった、脅迫の念が見て取れた。


だいたい、俺が一人で居たって……。


俺が凄い寂しい奴みたいじゃないか……。


そう思いつつも、逆らえるはずもなく、


「う、うん。ね!」と合わせておいた。


すると女子二人組は、「えー!松田君一人で来たの!?それならあたし達が一緒に回りたかったー!!」と言ってキャイキャイし出す。


う"…。


俺はこういう女子の乗りが苦手なんだよ…。



「そういえば水樹…」


二人の内一人のショートカットの女子が、不思議そうに白田さんを見ながら口を開いた。


「水樹、さっきまで黒崎君と居たんだよね?」


「…う、うん」
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