心音詩集 血液のラルゴ
救済という破壊




賢くて強いことを当然だと思いながら
そんなお前をそこから救い出したかった

お前が虫だったら脚がもげても逃げる
お前がトカゲだったらしっぽを切って隠れる
でもお前は強くて賢いから
いつでも上手くやってのける
胸の奥にぽっかりと洞があっても
その中で心が凍りついていても

皮膚を狂わせて
内臓を痺れさせる
剥き出された弱さを撫で上げて
悶える身体から血を溢れさせる

大好きなコントロール、利かなくなるまで
俺はお前を剥ぎとっていく
その先になにがあるかなどわからない
お前が読める未来など俺が踏みにじる
枯れ果てるまで泣くのを見たいんだ
お前が最後に泣いた日を
お前自身が覚えていないから

俺の存在に意味をくれないか
お前を壊せるのは
俺だけだと





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