オレ、教師。キミ、生徒。
「先生!」

その声に、振り向いた。

舘野が卒業証書片手に俺の方へと走って来る。

「おう。卒業おめでとう」

「ありがとうございます」

息を整えながら軽くお辞儀をしたと思ったら、急に抱き付いて来た。

「おわっ!」

「……もう、我慢しなくて良いんですよね?人前で抱き付いても、なんにも言われないんですよね?」

「ああ、そうだな」

「えへへっ……やったぁ」

舘野が俺の腕の中ではにかむ。

俺も、そんな舘野を強く抱き締めた。

両想いになったあの日。

あれから今日まで、俺達は連絡も取り合わなかったし、視聴覚室で会ったりもしなかった。

コレは、舘野が決めた事。
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