オレ、教師。キミ、生徒。
『私━━』

『え?』

『もう卒業式までここには来ません』

『……どうして?』

『先生に、迷惑かけたくないから』

『俺?』

『はい。私だって同じなんです。もし私と付き合ってる事がバレて、先生がクビにでもなったら……そんなの絶対ダメです。でも、好きな人を目の前にして、なんにも出来ないなんて、私耐えられません。だから……』

『……分かった。舘野が良いなら、そうしよう』

『ワガママでごめんなさい』

『ばーか。こんなのワガママの内に入んねーよ』

『……ありがとうございます』

『おう』

『……じゃあ、はい!』

『え?』

『え?じゃなくて、キスして下さい』

『…………』

『んもぅ!』

『……っ!舘野!』

『へへっ、先生がしないから、私からしました』

『……たく……お前ってヤツは……』

『誰も見てませんよ。カーテンも閉めたし、視聴覚室は音も漏れませんから。……じゃあ、私帰ります……卒業式まで……』

『ああ、卒業式にな』

『はい。……浮気、しないで下さいね』

『舘野こそ』

『私は心配無用です。好きになったら一途ですから!』

『俺もそうだよ。なんてったって3年間、舘野の事が好きだったんだからな』

『そう言えばそうでした……それじゃあ』

『……ああ、じゃあな』
< 56 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop