そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
「それで、何が?ピンと来たの」
「きっと素敵だろうな。二人で並ぶと。いつも仲良かったし。いちいち口に出さなくても、二人の世界では通じあっていて」
素敵?いったい何?
それ、本当に私の事?
「あああ!!それなら、私もそうかなあって思ってた。亜湖先輩が、急いで帰らなくなったのも、主任が異動した時期と重なるし」別の子がいい出した。
「そうそう、同じ課だと冷やかされたりしてやりにくかったんですよね?」
二人で手を取り合って、妄想に夢中な乙女たち。
「ええ?何、それ…」
なにがやりにくいっていうの。
「きゃあーっ。先輩、動揺してる。私たちにバレてるなんて思ってなかったですか?」
由奈ちゃんが、嬉しそうに私を見て言う。
「いったい何の話よ」
「ええっ!!私、前に、付き合ってる人いるんですかって、主任に聞いちゃったら、まあ、一応ねって言ってたあ!?」
「主任って、先月までここにいた、海外事業部の長谷川課長のこと?」
優人が、由奈に向かって聞いている。
「はあい。そうです」
3人が同時に答えた。