健康診断の甘い罠

「昔のお前みたいだな」


高倉さんにそう言われた俺はぎょっとして目を見開く。


「は!?ちょっとそれは聞き捨てならないんですけど。俺、ここまでひどくなかったでしょ」


こんな奴と一緒にされるなんて心外すぎる。そう思うけど高倉さんは俺を見てふっと笑う。


こういう笑い方すると、本当にかっこいいなこの人。


平根が前に言ってたけど。俺にとっても高倉さんは憧れの男だ。本当に男から見ても高倉さんはかっこいい。


絶対怒られるから言ったことないけど、こんな人が父親だったら良かったなと思う。


だからつい高倉さんには甘えちゃうんだよな。この人も優しいから何だかんだ言いつつ受け止めてくれちゃうし。


「いや、昔じゃないけど山口さんに怒られて会ってもらえなかった時とかかなりひどかったな。あれは今までで一番ウザったくて仕方なかった」


そう言われるとちょっと気まずいけど。確かにあの時は、ひどかったかもしれない。


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