健康診断の甘い罠

「いや、でも結城さん悪い人ではないよ。優しい所もあるし。でも、ほんとに……断ってもいいんだよ?」


高倉さんに心配そうにそう言われるけど、なぜだろう。私、もう一回会ってもいいと思ってる。


なんでだろう。練習しない、とか。あんなこと言われたのが初めてだからかな。


あれを告白と呼んでいいのか分からないけど、ああいうのちゃんと言われたの初めてからかもしれない。


あの猫みたいな目を思い出して、私は高倉さんの顔を見た。


「ご迷惑じゃなければ、お邪魔します」


そう言うと高倉さんと一ノ瀬さんはまた顔を見合わせて微妙な顔で私を見る。


「だ、だからなんでそんな目で見るんですか」


「いや、ね。うん……分かった。日程相談して連絡するね」


そう言った高倉さんに頷くと一ノ瀬さんが私の肩を叩く。


< 27 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop