健康診断の甘い罠
「うん、そうだね。結城さん、宗一郎さんになついてるから……怒られるくらいで済むようなことはしても嫌われるようなことはしないかも」
お、怒られることはするんだ……。
そう思っていると高倉さんの家に着いたみたいで車が止まる。
家の前に車が止まってるけど、結城さんのかな。
高倉さんの家は素敵な一軒家で思わず見上げてしまう私を高倉さんが手招きする。
「千紗ちゃん、どうぞ」
「あ、お邪魔します」
そう言ってお家にお邪魔すると木の香りがする。
わあ、なんか素敵なお家だ。明るいし、木のぬくもりを感じるナチュラルな感じ。
キョロキョロしながら高倉さんの後を着いていく。
「結城さん、千紗ちゃん連れてきたよ」
高倉さんがそう言ってドアを開ける。中を覗くと、私を見て目を細めて笑った結城さんと目が合ってビクッとする。