じれったい
――思い出と言うものはさ、乾けばすぐに燃えてしまうものなんだよ

映画はそんなことを言っていたけれど、その中には燃やしてはいけない大切な思い出もある。

母の遺品はたくさんあったけれど、これだけは私の手元に残そうと思った。

私は母が残してくれたアルバムを抱きしめると、本当に部屋を後にした。

母に依存するのは、これで最後にする。

母と同じくらいの愛情あるいはそれ以上の愛情を注いでくれる人を求めるのは、もう終わりにする。

私の隣を歩いてくれる人を見つけよう。

そして、本当に心の底から幸せになろう。

すぐにと言うのは言い過ぎだけど、必ず幸せになろう。

「――ありがとう、お母さん…」

厳しかったけれど、たくさんの愛情を注いでくれてありがとう。
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