じれったい
「おはようございます、玉置常務」

「おはようございます、矢萩さん」

休み明けは憂うつだけど、今日はいつもとは違ってすっきりとした気分だった。

いつものように常務室へと足を踏み入れると、
「何かいいことがあったんですか?

顔がとても生き生きとしていますよ」

玉置常務に声をかけられた。

「あっ…わかりましたか?」

私は頬に手を当てた。

「ええ、とても気分がいいと言う顔をしています」

微笑んでいる玉置常務に、
「亡くなった母の遺品を整理していたんです」

私は言った。

「遺品、ですか?」

玉置常務は訳がわからないと言うように聞き返した。
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