恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
4.挨拶I

私の実家は同じ県内で、私達が住んでいる市から車で1時間。

ただいま、私の運転で向かっていて、もうすぐ着く。

まー、田舎です。山と田んぼと畑と雑木林。たまに民家。

「絶対ひいてるでしょ。スーパーもドラッグもないからね。電車は1時間に1〜2本しかないし、最寄り駅は無人駅」

圭太郎は窓の外を眺めながら、

「自然がいっぱいだし、のんびりしていいところじゃない」

なんて都会人的な発言をする。
同県民なんですけどね。

……それにしても余裕だな。

結婚の挨拶に行くのに、緊張を見せないのは、やっぱりメンタル強いなぁ。

昨日は泣いてたくせに。

……と思って、気がついた。

この人、プレッシャーとか緊張とか、マイナスのことには強いけど、幸せには弱いんだ……。



< 17 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop