恋色シンフォニー 〜第2楽章〜

***


実家で迎えてくれたのは、父、母、同居している姉、姉の旦那さん、姉夫婦の娘・つまり私の姪である、芽衣(シャレではない)、4歳。


「で、式はいつ頃を考えてるんだい?」

うちの父は照れてるんだろう、挨拶もそこそこに、いきなりそんな話から入った。
『娘さんを僕にください』は言わせなかった。

「春頃を考えてます。入籍もその時にしたいと考えてます」
と、圭太郎。

「結婚式と披露宴は、彼のお友達と、うちの近い親戚だけで、こじんまりやりたいと思う」
と、私。

圭太郎のご両親が既に亡くなっていることは、前もって伝えておいた。

「だから、神前じゃなくて、教会式か、人前式でやりたい。お父さん、いい?」

「……ご両親の親御さんはどうされてるんだい?」
と父は圭太郎の方を見て言った。

私の、バージンロード一緒に歩いてくれる?という気持ちをこめた父への問いかけは、見事にスルーされた。
まだ照れているらしい。

「……両親はお互いの親に結婚を反対されていて、それを押し切って結婚しましたから、付き合いはありません」

「ご両親にご兄弟は?」

「いません」
< 18 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop