恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「……そうか。

……結婚とは、家族が増えることだよ。我々のことを新しい本当の家族だと思って、頼ったり甘えたりしてくれると、我々もうれしい」
と、父。

「仲良くやっていきましょ。息子がまたひとり増えて、うれしいわぁ」
と、母。

「イケメンの弟ができて自慢だわ」
と、姉。

「オレ体育会系だから、圭太郎君が芸術系でバランスいいじゃん」
と、お義兄さん。


「ありがとうございます……」

圭太郎はちょっとうるっときたみたい。

ところが。

ここぞとばかりに、
高3の時からひとりで暮らしているから、早く家族が欲しかったことを切々と訴え、

「少しでも早く綾乃さんと一緒に住みたいと考えてます。会社にもそれを勧められてます」

なんて、真面目に語るもんだから、保守的なはずのうちの両親は同情したんだろう、あっさり結婚前に同棲することを認めてしまった。


この男、やっぱり腹黒い……。


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