恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
6.オフィスラブ

金曜日。
今日は午前中内勤。

会社で朝の仕事がひと段落してから、休憩室に向かう。
誰もいない部屋でコーヒーを飲んでいると、圭太郎がやってきた。
タンブラーに珍しくコーヒーを淹れている。寝不足なのかな?

圭太郎は会社では黒縁眼鏡をかけている。地味男の演出アイテムらしいけど、眼鏡姿もなかなか萌える、なんてことは絶対本人に言えない。

今週は外に出ていることが多かったから、ちゃんと顔を合わせるのは月曜日以来。
いまだに内心ドキドキするって、重症よね。


「マリがT国際指揮者コンクールの2次予選通って本選に進むって、龍之介情報」

圭太郎が同じテーブルのはす向かいに座ってきて、言った。

早瀬マリさん。
高校までヴァイオリンを弾いていて、圭太郎とはコンクール仲間だった。
現在は指揮者。圭太郎の市民オケも指揮したことがある。

設楽龍之介さん。
圭太郎のヴァイオリンの兄弟子かつ先生。現在音大講師。


「知ってる。ご本人からゆうべメールで報告もらったから」

そう言うと、圭太郎は微妙に嫌そうな顔をした。

いや。そんな顔されても。マリさんとは お友達になりましたから。
< 27 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop