恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「何ニヤニヤしてんの」

「だってうれしいでしょ、お友達の快挙。何て返そうかなぁ」

「とっとと返信しちゃってよ」

「もー。待ってて」

圭太郎は私の上からおりて、隣にくっついた。
見られないようにスマホの画面を傾け、素早く文字を入力する。

【おめでとう! 彼は『素直に喜んでる』と言ってます。相手しろとうるさいので、また後でゆっくり返信しますね】

……うーむ、やっぱりノロケでしょ、これ。
とはいえ、面白がってるマリさんが想像できるので、まあ、いいか。


スマホを枕元に置きながら、さりげなく、
「最近あまり眠れてないの?」
ときいてみる。

「んー、諸事情により。でも今日はよく眠れそう」

「そっか。……じゃ、おやすみなさい」

「おやすみ」

挨拶をして、

一度だけ、唇が触れるだけの軽いキスをして、

手をつないで、

くっついて寝た。





翌朝。
圭太郎に頭を撫でられて、目が覚めた。
何て幸せな目覚め方だろ。

圭太郎は、すっきりして、落ち着いた顔に戻っていて。

「おはよう。昨日はありがとう」

と微笑んだ。



あぁ、よかった。






< 37 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop