恋のユクエ

駅から少し歩いた所にあるカフェに入り、
私はミルクティー姫川さんはアイスコーヒーを注文した。


「久しぶりだな」
姫川さんは優しく笑うと

「桜は全然連絡してくれないから心配してたんだぞ」

わざとらしく怒った様な顔をした。

「お仕事の邪魔しちゃ悪いかなって…」

わざわざ話す事はないのもあったけど、それが一番の理由だった。

「そんな事気にしなくていいんだよ」

姫川さんは、アイスコーヒーにミルクを入れた。

「今日やっと一段落したんだ。」

「さっきの人達は姫川さんの部下なんですか?」

「んーまぁそんな感じかな。」

「なんか警察の人って感じでした。特に最後に挨拶した人」

「あぁ玉城?イケメンだろ?」

姫川さんだって十分イケメンだけど…
何て言ったら良いのか考えてしまう。

「ああいうのが好み?」

「そういう訳じゃないですよ」

「桜って彼氏居ないの?この手の話した事ないけど」

「半年前くらいまで居ましたよ」

私が言うと、姫川さんは驚いた表情をした。

「なんか…複雑」

「え?」

「俺以外とシスコンかもな」

姫川さんは笑いながら「キモ」と呟いた。

何も言えず固まったままの私を見て

「なんか言えよ、恥ずかしくなるわ」

やっぱり今日の姫川さんは、いつもと違う…
< 20 / 22 >

この作品をシェア

pagetop